こんにちは!本ブログ運営者のエムログです。
今回はウェストハムに所属するFWミカエル・アントニオについて深堀をしていきます。強靭なフィジカルを活かしたプレーは迫力満点。身体の大きさだけに頼ることはなく、足元の技術、ドリブルも高レベルです。しかし、これまでたくさんのクラブを渡り歩いてきた苦労人。その始まりは英7部のチームからでした。
そんなアントニオについて理解を深めたい方はぜひ最後まで読んでみて下さい。
基本情報
【身長】 180cm
【生年月日】 1990年3月28日
【出身国】 ジャマイカ
【利き足】 右
【ポジション】 FW
【背番号】 9
【市場価値】 550万ユーロ
主な獲得タイトル
ウェストハム
カンファレンスリーグ:1回 (2022-2023)
プレー映像
まずはアントニオの魅力に迫るためにプレー映像をご覧ください。
これまでの経歴
2024年現在までのアントニオの経歴を簡単に振り返りましょう。
トゥーティング[2007-2008]
出場試合数 | 45試合 |
得点 | 33得点 |
アシスト | 不明 |
トゥーティング(英7部)でプロキャリアをスタートさせたアントニオ。
2007-2008シーズンに45試合33得点と圧巻の成績を残します。その後、レディング(英2部)に完全移籍します。
レディング[2008-2009]
出場試合数 | 28試合 |
得点 | 1得点 |
アシスト | 不明 |
英7部から英2部という大きな階段を駆け上がったアントニオでしたが、新天地では結果を残すことができませんでした。
ここから、多くのレンタル移籍を余儀なくされます。
トゥーティング[2009-2009]
出場試合数 | 9試合 |
得点 | 7得点 |
アシスト | 不明 |
再びレンタル移籍でトゥーティングに復帰します。
9試合7得点と、英7部では通用することを証明しました。その実績が買われ、チェルトナム(英3部)へレンタル移籍をします。
チェルトナム[2009-2009]
出場試合数 | 9試合 |
得点 | 0得点 |
アシスト | 0アシスト |
チェルトナムでは9試合の出場にとどまりました。
サウサンプトン[2009-2010]
出場試合数 | 33試合 |
得点 | 7得点 |
アシスト | 0アシスト |
2009年には、同じく英3部相当のリーグに位置したサウサンプトンにレンタル移籍をします。
サウサンプトンに移籍後、リーグ戦28試合、カップ戦5試合と、チームの主軸になりつつありました。眠っていた得点力も徐々に開花し始めます。
レディング[2010‐2011]
出場試合数 | 24試合 |
得点 | 1得点 |
アシスト | 1アシスト |
その結果を受けたレディングはアントニオをチームに戻します。およそ2年間、レディングを離れてのレンタル移籍が終わりました。
それもつかの間。2010-2011シーズンに24試合に出場したのち、コルチェスターユナイテッド(英3部)にレンタル移籍をすることが発表されます。
コルチェスターユナイテッド[2011‐2011]
出場試合数 | 16試合 |
得点 | 4得点 |
アシスト | 0アシスト |
再び英3部に復帰したアントニオ。わずか16試合の出場となりましたが、4得点を記録しました。
レディング[2011‐2012]
出場試合数 | 7試合 |
得点 | 0得点 |
アシスト | 0アシスト |
詳細は不明ですが、アントニオは再びレディングに復帰します。そしてすぐにシェフィールドウェンズデイ(英3部)へとレンタル移籍。
ここまでのレンタル移籍の回数、驚異の5回です。それも約3年間の出来事です。
シェフィールドウェンズデイ[2012‐2014]
出場試合数 | 84試合 |
得点 | 19得点 |
アシスト | 0アシスト |
シェフィールドウェンズデイでアントニオに転機が訪れます。
公式戦84試合に出場し19得点をマーク。2012年に完全移籍を勝ち取りました。その後も、チームを牽引する立場で活躍を続けました。
ノッティンガムフォレスト[2014-2015]
出場試合数 | 54試合 |
得点 | 19ゴール |
アシスト | 13アシスト |
その活躍が認められ、ノッティンガムフォレスト(英2部)へ完全移籍を果たします。これまで、2部までしか渡り歩いてこなかったアントニオにとって、勝負の年となりました。
初年度の結果は49試合15得点12アシスト。
数多くのゴールをわがものとしました。また、アシスト能力もこれまでとは比べ物にならないほどに成長しました。2014‐2015シーズンにはクラブの最優秀選手に選出されるなど、その実力を完全に開放しました。
ウェストハムユナイテッド[2015-2025]
出場試合数 | 308試合 |
得点 | 82得点 |
アシスト | 37アシスト |
2015年9月にウェストハムユナイテッド(英1部)との契約が発表されます。契約は4年でした。当時、途中交代やサイドバック起用など、難しい立ち位置ながらも、少しずつチームに溶け込んでいきました。移籍初年度(2015-2016シーズン)は32試合9ゴール3アシスト。プレミアリーグ初挑戦の選手としては圧巻の数字です。
その後も安定して活躍を続け、2017年にはチームとの契約を4年間延長しました。
その後の活躍は以下の通りです。
2019年7月 | ウェストハム選手としてプレミアリーグで4ゴールを決めた初めての選手に |
2021年8月 | プレミアリーグ月間最優秀選手賞を受賞 |
2021年9月 | プレミアリーグにおけるウェストハムの最多得点者 |
2024年6月 | ジャマイカ代表としてコパ・アメリカでの初得点を記録 |
プレースタイル
センターフォワードの選手。ボールに多く触れようとする選手で、1列降りてボールを受けようとします。その際、自身が最も得意とするポストプレーで時間を作ります。強靭なフィジカルを活かしたポストプレーは相手選手に奪われることは少なく、攻撃を停滞させることもありません。また、過去のサイドバックの経験から、ドリブル能力にも長けており、意外性を感じさせます。
ミカエル・アントニオの魅力
【ミカエル・アントニオの魅力①:強靭なフィジカルを活かしたポストプレー】
Embed from Getty Imagesアントニオのポストプレーは強烈です。気の利くポジションをとることができるため、センターフォワードの位置から一列下がったところでボールを受けます。
相手のMFやDFが挟み込んでくる中、重厚な体格を活かしてボールを隠し、パスの出しどころを探ります。その背負い方も見事で、片腕で相手を抑えるのではなく、中腰体勢になり両手で相手をブロックします。それにより、相手はホールドされ、アントニオのボールに触れることができません。
DFとしてはアントニオのボールは奪えずとも、攻撃を遅らせることができれば及第点です。反対に、アントニオからすれば味方のあがりを待つことができれば及第点です。しかし、現所属のウェストハムにはソウチェクなどの中盤の位置から前線に駆け上がっていく選手が多くいます。
そのため、アントニオがボールを収めることさえできれば、効果的に攻撃を仕掛けることができます。しかし、中盤の選手には常に安定感が求められます。なので、自分のポジションを捨てて上がるのはリスクが伴います。
それでもウェストハムの選手が次々と前線に駆け上がっていくのは、アントニオのポストプレーに絶対的な信頼を置いているからです。それほど、アントニオのポストプレーは安定しています。
【ミカエル・アントニオの魅力②:破壊力あるシュート】
Embed from Getty Imagesアントニオがボールを持った状態で前を向けばゴールの匂いがします。それは、枠にさえボールが入れば、コースがなくとも、位置が遠くても、シュートの勢いでネットに突き刺すことができるからです。
アントニオの特徴として、ポストプレー後の動き直しが早いことが挙げられます。そのため、相手のマークを一時的にはがすことができます。それさえできれば、アントニオはシュートが打てます。
そして、そのシュート精度は別として、小さなふりから放たれるシュートは破壊力抜群。相手ゴール前の密集地帯であっても、ちょっとした時間があれば小さなモーションからでもシュートを打つことができます。
足にミートさせることが上手いため、少しでも軌道が変わればゴールに吸い込まれますし、GKのファンブルを誘うこともできます。
【ミカエル・アントニオの魅力③:意外なドリブル】
Embed from Getty Imagesポストプレーに突出した選手にもかかわらず、これほど足元の技術に優れた選手は珍しいです。
ポストプレーに長けた選手は、クリスタルパレスのFWマテタ、ノッティンガムフォレストのFWウッド、マンチェスターシティのFWハーランド、などがいますが、いずれの選手も大柄です。それに比べると、アントニオはラグビー選手のような体格をしています。
そのため、見かけによらず機動力に優れており、細かいタッチでのドリブルも朝飯前です。過去にサイドバックを経験しているからかもしれませんが、そのコース取りもよく、ボールを奪われない場所にドリブルを仕掛けます。
それは、ウィングの位置からでも、ポケットの位置からでも、ペナルティーエリアからでも同じです。これだけダイナミックな身体をしていて、実際にフィジカル能力に長けている場合、その能力に頼りがちですが、ドリブルを駆使するあたりが、意外性を感じさせます。
それは相手選手も同様で、フィジカル勝負を想定して身構えていたのに、ドリブルを仕掛けられると後手に回ってしまいます。
そういった意外性を感じさせながらも、確かな技術を持っているのがアントニオです。
年々進化を続けている
ミカエル・アントニオの魅力をお伝えしていきました。
アントニオは人柄も良い選手で、プレミアリーグ全体から愛されている選手だと感じます。長い間結果を出すことに苦戦してきた選手ですが、ここへきて得点力があがってきています。
現時点(2024年10月)でアントニオは34歳です。この年齢でプレミアリーグを戦うことは容易ではありません。それもFWという運動量が求められるポジションでです。
そんな中、チームにおけるアントニオの重要性は年々増していくばかり。まだまだ計り知れない力を持っているかもしれません。
是非ミカエル・アントニオの魅力を踏まえてプレミアリーグを楽しんでください!