試合評価

【第2節】トッテナムVSエヴァートンの選手評価

試合結果

TOTEVE
得点者’ビスマ  14’
ソンフンミン  25’ 77’
ロメロ  71’

試合会場

収容人数

スターティングメンバー

トッテナム

4-3-3

                               「出典:LINEUP11」

エヴァートン

4-2-3-1

                               「出典:LINEUP11」

試合データ

トッテナムエヴァートン
ボール支配率70%30%
ゴール期待値(XG)2.431.00
シュート本数1310
枠内シュート71

選手採点

GK

1 ヴィカーリオ(Vicario) 7点

-記録したセーブ数は1回のみ。ヴィカーリオの出番はなかったといえる。それでもビルドアップやフィードも難なくこなし、いい意味で目立つことはなかった。

DF

23 ペドロ・ポロ(Pedro Porro) 7.5点

-目立ってはいないがかなりの活躍。サイドバックとしての完成度はかなり高い。ビルドアップやディフェンス面では全く問題ない。前への推進力があるため、相手のプレスを少し回避できれば、前線に一気にボールが運べる。今後もこの活躍を続けていけば世界屈指のRSBになるだろう。

17 クリスティアン・ロメロ(Cristian Romero) 7.5点

-スパーズのハイラインを支えた。身体を張ったディフェンスや精度の高いロングボールはスパーズに熱を与えた。そのうえでゴールも奪い、申し分ない活躍。ただ、パスが少しずれてしまうことがあるため、そこが唯一の改善点か。

37 ファン・デ・フェン(Van de Ven) 8点

-スパーズのディフェンスラインを統率するだけでなく、そのスピードを活かして自陣ペナルティアークから相手ペナルティーアークまでボールを運び、ソンのゴールをお膳立て。77分であのスピードを出されてしまっては相手もお手上げ。その後もベト相手にも全く臆することなくプレー。プレミアリーグ屈指のCB。

13 ウドジェ(Udogie) 7点

-73分で交代となったが、負傷によるもの。左サイド攻略のカギとなった。ただ、決定的な機会を演出するまでには至らなかった。今後は攻撃参加ののちにチャンスメイクができるかどうかがもう一伸びするカギとなるか。

MF

8 ビスマ(Bissouma) 7点

-前半15分は縦パスがほとんどカットされ、ボールロストが多かった。しかし、その後ゴールを決めてからは本来のビスマに戻った。やはり機動力を活かした守備面やセカンドボールの回収は見事で、後方からスパーズを支えた一人。

10 マディソン(Maddison) 7点

-ゲーム全体を作った。前線の選手のサポートから展開をし、チャンスメイクをするなど、マディソンらしさを発揮した。ビルドアップ時には一列降りてボールを受けるなど、スパーズの心臓的な役割を果たした。

28 オドベール(Odobert) 7点

-19歳でこの活躍であれば上出来だと感じた。ウドジェとソンでユニットを作り、左サイドを攻略。相手は完全に翻弄され、後手を踏んでいた。ただ、最後のドリブルでグッと入ってくる推進力や、守備強度はもう少しだと感じた。

FW

21 クルセフスキ(Kulusvski) 7.5点

-クルセフスキのタッチは優しく、ボールロストの少ない選手。それでいてスピードもあるため厄介。対峙する相手がミコレンコだったため、押し込む時間帯ではクルセフスキに分があった。1点目のビスマのゴールを最高の形でお膳立て。

22 ブレナン・ジョンソン(Brennan Johnson) 6点

-スパーズのなかでは物足りなさを感じた。なんでも器用にこなせる選手だからこその物足りなさか。素早いプレスバックなどを絶え間なく行い、守備のスイッチを入れていたが、攻撃面で能力を発揮することができなかった。おそらく、ポステコグルー監督としてもこの試合展開だからこそ最後まで交代しなかったのだろう。

7 ソンフンミン(Heung-Min Son) 8.5点  🔱

-さすがのソンフンミン。今シーズンも2桁ゴールをとること間違いなし。動き自体が最高のコンディションには見えなかったが2ゴール。前線からのプレスは強烈なものがあるため、相手にとっては脅威で、味方にとっては心強い。今シーズンもソンがスパーズを引っ張るか。

交代選手

9 リシャルリソン(Richarlison) 6点

-66分からの出場。強い印象を残すことはできなかった。いい形でボールが入ることもなかったため、評価が難しいが、この試合展開だともう少しボールに触りたかったところ。

29 サール(Sarr) 6.5点

-67分からの出場。可もなく不可もなくの活躍。交代選手の中ではかなり動きがフィットしていたように感じる。パスもスムーズに通せており、交代選手としては十分に計算できる。

14 アーチ―・グレイ(Archie Gray) 6点

-73分からの出場。プレミアリーグ界では大注目の若手。この試合では無難にパス回しに参加した。しかし、ややボールを持ちすぎて、プレッシャーをきつく受けるシーンがあった。点差が開いていたということでアピールの時間を作ったとも思うが、低い位置でのボールロストは致命的になるため、プレー選択の素早さを手に入れたい。

24 スペンス(Spence) 6.5点

-73分からの出場。ウドジェと交代し、LSBとして出場した。かなり上下動ができる選手。また、スピード感も持ち合わせているため、サイドバックと言えど交代選手としてはかなり脅威になっていた。今後は期待できそう。

15 ルーカス・ベルグバル(Lucas Bergvall) 6点

-79分からの出場。1節前の試合のような活躍は見せられなかった。中盤として起用され、無難に試合の仕上げに入った。ただ、パスが通らなかったり、デュエル面で劣ったりと、途中交代選手ならではの難しさを痛感した。

監督

ポステコグルー(Postecoglou) 7.5点

-4点差をつけての勝利は見事。今シーズンもハイライン戦術は変わらずに続行。絶対的なストライカーが現時点では不在だが、新加入のソランキがその存在になればスパーズにとってはかなり大きい。また、火力の高いスパーズがこのような試合展開をすることで、新加入選手や若手選手を交代で入れることができるため、ターンオーバーをうまくすることができる。若手枠に非常に有望な選手がいるため、ポステコグルーにとっては早く試合を決めたいところ。この試合ではそれがまんまとハマった。ターンオーバーはシーズン終盤で大きく影響してくるため、その点でスパーズにはアドバンテージが生まれてくるだろう。

GK

1 ピックフォード(Pickford) 5.5点

-失点をするまでは非常によいセーブを見せていたが、2失点目が痛かった。そこまでプレッシャーがきついというわけではなかったため、プレー判断に迷いがあったのだろう。元々、ビルドアップに長けているタイプのGKではないため、プレー判断には磨きをかけないといけない。

DF

75 ディクソン(Dixon) 6点

-この試合でディクソンはトップチームデビューとなった。しかし、かなり苦い試合となった。対峙する相手がソンフンミンやオドベール、ウドジェだったため、苦戦した。ウドジェのスピードやオドベールの緩急に揺さぶられるシーンもあったため、プレミアリーグに馴染むにはまだ時間がかかりそう。

6 タルコフスキ(Tarkowski) 6点

-エヴァートンのキャプテンとしての力を発揮できなかった。やや身体の重さも感じたため、コンディション調整が間になっていなかったか。いずれにしても4失点は痛かった。

5 マイケル・キーン(Michael Keane) 6点

-シュートブロックなど、気迫あるプレーは見せていたが、CBとしての4失点はいただけない。相手FWのブレナン・ジョンソンがそこまで機能していないなかでの失点だったため、より強力なFWハーランドなどと対峙した場合にどうなるか。

19 ミコレンコ(Mykolenko) 6点

-攻撃面、守備面、ともにいい試合だったとは言えない。攻撃面では前線にいい形でボールが入ることがなかったため、オーバーラップを仕掛けることもできなかった。守備面では致命的なミスはなかったが、やや物足りなさを感じた。守備面というよりは攻撃面で強みを発揮できる選手の為、如何にいい形で前線にボールが入るかが今後のポイントか。

MF

42 イロエグブナム(Iroegbunam) 6点

-厳しい展開だった。おそらく、昨シーズンまで活躍していたアマドゥ・オナナにとってかわる存在としてのコンバートだったが、そこまでの活躍には至らず。ただ、手足の長さやジャンプ力など、身体的強さはアピールできた。今後はそれを活かして戦うか。

27 イドリサ・ゲイエ(Idrissa Gana Gueye) 7.5点

-終始、ピッチを駆け回り、相手にいい形でボールが入らないように努めた。パスの意外性やクロスのセンスなどは今一つだが、チームにこのような選手がいると助かる。年齢が34歳だが、今シーズンはまだまだ衰え知らず。

16 ドゥクレ(Doucouré) 6.5点

-前線からプレッシャーをかける際には機能していたが、それ以外の試合を作る動きやボールの受け方ができなかった。おそらく本人の適正ポジションは一列下のボランチだが、この試合では一列前のトップ下の位置がベースとなった。イロエグブナムの出来次第ではポジションチェンジもあるかも。

FW

11 ジャック・ハリソン(Jack Harrison) 5.5点

-ほとんど目立つことはなかった。ハリソンの特徴である縦の動きやアジリティの強い動きは見られず、苦しい試合となった。57分で交代となったが、この判断は正しかった。

7 マクニール(McNeil) 7.5点

-この試合のエヴァートンのなかでは最も目立っていた。左足で持った時の独特の空気感は健在。また、クロスボールやコーナーキックの精度が抜群で、今後もチームを牽引していく。

9 カルヴァ―トルイン(Calvert-Lewin) 6.5点

-厳しい試合となった。ショーンダイシサッカーの真骨頂であるロングボール戦術を成立させる一人だったはずだが、この試合ではロングボールがあまり多用されず、カルバートルインの良さが引き立たなかった。かといっていいかたちでボールが入ることもなかったため、相手DFを苦しめることができなかった。

交代選手

10 イリマン・ヌディアエ(Iliman Ndiaye) 7点

-57分から出場。10番をつけているだけあり、今後が楽しみな選手の一人。左サイドハーフで出場した。ボールの持ち方やドリブルでのタイミングのずらし方などは独特。狭い中でもボールキープができており、今後はエヴァートンの主力として活躍しそう。

29 リンドストロム(Lindstrøm) 6点

-57分から出場。目立った印象は残せなかった。

14 ベト(Beto) 6.5点

-72分から出場。前線で追い回す役割を全うした。決定的な仕事はできなかったが、このような選手が控えていることはエヴァートンにとって大きい。

45 アームストロング(Armstrong) 6.5点

-途中交代で8分ほど出場。17歳という若さでエヴァートンのトップチームデビューを飾った。動きは機敏で機動力も持っていそう。ただ、若さゆえの線の細さはあるため、その点が今後どうなるか。

監督

ショーン・ダイシ(Sean Dyche) 5.5点

-ショーンダイシサッカーが全く披露できない試合だった。前線に長いボールを預けるのがダイシのサッカースタイルだったが、この試合でそれを見せることはなかった。となると、おそらく左サイドのマクニールにいい形でボールを入れることが狙いとなった。しかし、中盤選手の顔ぶれを見ていると、ゲイエ、イロエグブナム、ドゥクレ、と前への推進力はあるものの守備で力を発揮するタイプの選手ばかり。そのため、マクニールにボールを届けるには少し物足りなさを感じた。もちろん、この三選手に代わって入る中盤選手にパスに長けた選手がいるかというとそうでもない。であれば、カルバートルインやベトにシンプルに放っても良かったのかもしれない。そうすれば、上記の中盤三選手の強みであるセカンドボールの回収と推進力が活き、よい攻撃が作れたかもしれない。

試合のワンポイント(landmark)

この試合はスパーズの2点目が勝敗を分けた。それ以前もスパーズが攻め込む試合展開だったが、エヴァートンはなんとか持ちこたえていた。しかし、エヴァートンGKのピックフォードがビルドアップでミスをしてしまい、失点。ソンフンミンがプレスをかけ、結果的にボールを奪うことに成功したわけだが、失点につながるほどピックフォードのもらった位置と受け方は悪くなかった。悪かったのはトラップのみ。トラップが思った以上に左に流れてしまったため、ソンフンミンに先にボールに触れられてしまった。この試合、エヴァートンの攻め手に欠ける試合だったが、唯一、RWのマクニールにボールが入るとチャンスかと思えるシーンは何度かあった。それだけに、この失点の形はエヴァートンの火を消してしまった。